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SOKABE KEIICHI BAND MIX CD『友達が帰った後で』2。

CDの曲たちをすごく気に入ってしまった。2曲目なんか、特に好き。
高校生のころ、赤坂泰彦さんのラジオで、50's、60'sの音楽をたくさん聴いていた。MIX CDの曲たちは、それと似た手触りを持っていた。そのころの音楽も入っているようだ。
私と曽我部さんの音楽における共通点というのは、このへんにあったのだ。
そかばんのロックの根源を追求する姿勢は、自分のルーツミュージックに近いものからも刺激を受けているものである。それが、私がそかばんを好きになった理由の一つなのだろう。謎が一つ解けた。

そこに思い至ると同時に、そかばん、曽我部さんの音楽が好きな理由をもう一つ気づいた。
前回の記事でも書いた、「そこにあるものを肯定する」という考え方。たとえば曽我部さんのホームページ「DREAM MAGAZINE #11」にある
「演奏でミスをすることが次の成功に繋がっていくわけだから、そもそも失敗だとも思ってないし」
という言葉。失敗でしかない、まったくよくないことではなく、次に繫がるものとしてとらえている。生きているうえでやることや起こることのすべてが、その後の人生でなんらか活かされる。無駄なことなんかない。そして、辛い時間の中でも、顔を動かすと明るいものも見える。キラキラするものが日常にちゃんとある。そういう前向きで、まず肯定から始めるような考え方が、そかばんや曽我部さんの音楽に溢れているのではないかと思う。

曽我部さんの音楽を好きな理由に、はっきり気づく日が来るとは。
恋に落ちたようだったけれど、生身の恋愛とはやっぱり違うのだろうなあ。

MIX CDの話に戻ると、いちばん驚いたのは10曲目だった。
MAL WALDRONはジャズの文脈で知っていて、「left alone」なんか好きだったのですが。このアルバムに混ざると、オールディーズの一つとして聴こえる。こんなふうに聴こえるとは!衝撃だった。
ジャンルが違ったらまったく違うもの、ということはなくて、いい音楽は共通した、心のようなものを持っているような気がする。
だから私の吹くジャズが、そかばんのライブで目の当たりにしたロックスピリット、そして聴き続けているロックの曲たちからも確かに刺激と影響を受けているというのは、ごく自然なことのように思う。
そしてMIX CDっておもしろい!とも思った。曲を普段と違って聴こえさせる。
DJさんたちというのもそうやって曲に魔法をかけている人たちなのだ、とやっとわかった。
私もそんなことができたらいいなあ。
by hyuri07 | 2009-02-16 00:23 | 音楽


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