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「この空を見ていますか~ゆず アフリカの子どもたちへ~」。

私があの場にいて、何ができただろう。何を話せただろう。

ゆうじんは初めて会う人と、言葉の通じない人と、厳しい現実に直面する人と、会ってそばにいるだけじゃなくて、話していた。
自分に何ができるか、必死に考えていた。彼は難民キャンプの人たちの太鼓の演奏に誘われると、すぐにそこに混じってリズムを取ってたたいていた。「ありがとう」ということばで歌を作って歌っていた。キャンプの人たちもすぐに一緒に歌えるようになるくらい、わかりやすくて、心震わす歌だった。ほんの少しの言葉とわかりやすいメロディーで作るというのは、並みの人、ミュージシャンにはできないことだ。ゆうじんは普段からそういう曲を作ろうと努力しているからできたのだ。

私があの場にいたら、何ができるだろう。
人々と会って、横にいても、話す言葉を見つけることができないかもしれない。
普段仕事でなんだかんだしていても、あの場でそれが役に立つだろうか。

そう考えると、私にも音楽があるということは救いだ。
ゆうじんのようにはいかないだろうけれど、私なりに心を込めてサックスを吹いてみようと思うかもしれない。それくらいしか思いつかないのだ。
今までも私の人生において、音楽に何度も助けられているような気がする。

最後には人と人との交流にたどりついたゆうじん。
ゆうじんはどんなに厳しい現実を前にしても、目を伏せず心を閉ざさず、感受性を全開にして受け止めていた。

現地の宿泊先で、曲ができたというゆうじん。
画面に映し出された歌詞ノートのいちばん上に「はるか」という文字を見つけた瞬間、衝撃とふわっと広がる感じを同時に覚えるような、不思議で温かい感覚に包まれた。
横で一緒に見ていた妹に「ずるい」と言われた。

アフリカでの貴重な経験からできた歌に、「はるか」という言葉を選んで使ってくれて、ありがとう。
嬉しかったです。

小学校でのライブの映像を見ながら、岩沢さんの存在の大きさも感じた。
見る前は、「ゆず」と銘打った番組なのになぜ北川さんだけが行ったのかな?と思っていた。
その答えがなんとなくわかったような気がした。岩沢さんは北川さんとはまた違った視線を持っている。その二人が一緒に曲を作り上げていくからこそ、ゆずは豊かで他のどこにもない音楽を奏でることができるのだ。北川さんと同じものを見ているだけじゃだめなのだ。
岩沢さんがいるからこそ、北川さんは安心して、感受性を全開にすることができるのだろう。そして北川さんが持ち帰った経験を、岩沢さんが受け止めて理解して、そうやって曲ができていく。
アフリカに行ったのは北川さんひとりでも、「はるか」を北川さん一人で作り歌うということは選択されないのだ。
by hyuri07 | 2009-05-31 00:54 | 音楽


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