そこには。

凄み、みたいなものが、あった。

車で走っていて、どうも違和感を覚える。そこで、周りの建物が新しいものばかりだということに気付く。倉庫街を走っていって、そのうち建物もなくなった。左右は、何か草の生えた土地が広がっていた。このあたりにも津波が来たのだろうか。よくわからなかった。でも道路はちゃんとあった。前後には大きいトラックがたくさん走っていた。
カーナビの地図には小学校が書いてある。でも、こんなに何もないところの真ん中に学校があっても通う人がいないはずだ。おかしい。小学校の手前にセブンイレブンがあった。工事の人が買い物に訪れるのだろう。
そうしたら、1階部分の壁のなくなった家が建っていた。
やはり、ここには津波が来たのだ。

何が起こったのか、想像もできなかった。
そこには凄みのある空気が漂っていた。それをびりびりと感じたら、怖くて、想像を試みることすらできなかった。
つけていたラジオを、すがるように聴いていた。それがなかったら、安全に運転するだけの理性も保てなかったのではないかと思う。
カーナビに公園と書かれているところは、工事現場だった。ガードマンさんが立っていて、前を走るトラックが左折して入っていった。

岐阜では、東日本大震災のことが話題に上ることは、少なくなっている。テレビで見たりはしても、遠く離れたところのことだという意識のほうが強くなっている気がする。私が、写真を撮って、伝えて、少しでも何か伝えなければならないんじゃないか、と思った。
でも、そんなのおこがましいような気がした。そこにいるだけで精一杯だった。写真を撮れたのは、帰り道になってからだった。

さらに走ると、名取市に入った。(続く)
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by hyuri07 | 2013-09-09 00:15 | そのほか。


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