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「LOVERS」をテレビで見る。(ねたばれ大ありなのでご注意ください。)

お、おもしろかったよぅ。
後半どんどん、おもしろかった。
もちろん、たくさんカットされているのだろうけれど。
それでもおもしろかった。

恋愛の感じが好き。
こんなに恋愛がしっかり描かれている映画も他にあまり思いつかない。
どろどろでもない、甘甘でもない。生死をかけた、ぎりぎりの強い思い。
障害はいくつもあるのに、それにもかかわらずひかれてしまうほどの、強い思い。
そういう恋はちゃんとある。人が見惚れるような点を持つ恋としてそこにある。そしてそれは愛に変わる、つまり、そういう恋は愛に変わりうるようなものとしてそこにある。
私はそういう恋に見惚れてしまった。
相手が敵でも、愛すれば自分が故郷に殺されるような人物でも、それでも好きだという気持ちは変わらなくて、抱きしめあいたいと思えるような。
現実には、愛して殺されるようなことはまずないから、自分の思いがそんな風に試されるということはない。自分が実際にその状況でどうするかは、確かめられない。あいまいなままだ。現実だったらきっともっとこまごまとした問題がでてきて、それこそごちゃごちゃ、どろどろしてしまうのだろう。だから映画の中とはいえ、生死を賭した、極限のかつシンプルな状況で、試練を破ってそれでも貫けるような思いに、憧れる。


前半はアクションシーンが多くて、イーモウ監督独特のワイヤーアクションなんかが好きじゃない人にはちょっとつらいのかな、と思いながら見ていた。が後半になって、話が二転三転して、これは、と。
ああいう色使いも好き。背景とか衣装とか。ワダエミさんというひとはすごいのやなぁとやっと知った。わかりやすいけれどやっている人はそうそういないと思う。きっとわかりやすいからこそ、下手にやったら下品になってしまうのだろう。この映画での使い方も、きっと人によって好みはあるだろう。でもこういう分かりやすさは私は好きだ。それに、ワイヤーアクションについてもそうだけれど、そこを嫌ってしまうと、この映画のよさに辿り着けない気がする。紅葉とか竹やぶの緑とか、きれいだった。雪もいいと思った。そのわかりやすさを足してくれていいと思った。
金城武さんかっこよかった!日本のドラマで見たことがあるせいでアンディ・ラウさんよりひいき目で見てしまったのは確かですが。でもとにかくかっこいい。遊び人っぷりもかっこいい。
「HERO」のときに、映画論の教授が、黒澤明の影響を指摘していた。もしかしたらこの映画にもあったのかもしれない。でも黒澤明の映画は見ていないのでわからないです。映画は専門にして研究しているわけではないので、重要作品を見ていなくても勘弁してもらえますか、と思ったり。

おもしろかった。
by hyuri07 | 2005-10-30 23:54 | 映画


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