残り五周、シューマッハがアロンソの後ろについたとき、これはまずい、と思った。あと五周もある。これだけぴったりつかれたら抜かれてしまうだろう、と思った。シューマッハはだいぶ後方から追い上げてきたところで、勢いもあった。アロンソと一秒くらいの差がついたときにも、わざとあけているのだろう、と思っていた。
しかしアロンソは抜かれなかった。シューマッハはわざとあけていたのではなくて、つめることができなかったのだ。最後には、二秒ほどになっていた。
「速いシューマッハが戻ってきた」と番組では言われていたが、本当にそうだろうかと思ってしまった。以前のシューマッハーなら確実に抜いていただろう。不安を感じてしまった。
でもね、ひところより速くなくなったからって、すぐに引退しなくていいよ、と思ったりする。ミカ・ハッキネンがあっというまにいなくなってしまったのは本当に残念だったから。ビルヌーヴみたいに、息長く活躍してもらえたらいいな。
しかしチームアグリの佐藤琢磨選手は完走できて本当によかった。
優勝を争うチームになるということは本当に大変なことなのだと、日本人に教えてくれている気がします。
ずっと目を離さず応援します。