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山際淳司『スローカーブを、もう一球』『逃げろ、ボクサー』

もしかしたら、当時はもっとぴりぴりとした衝撃を感じるものだったのかもしれない。
「アスリートでありながら競技以外のことも考える」というのは、今日では多くの人が試みており、一般にその考え方が普及している。観衆を楽しませようとする新庄剛史選手などがいい例だ。もしかしたらこの作品は、当時はもっと衝撃的だったのかもしれない。今ならどんな方を取材し、どんな文章を書かれたのだろう。若くしてこの世を去ってしまわれたことが残念でならない。
『タッチ』も、そのときのスポ根ものとは違う、野球より好きな女の子を大切にしてしまおうとするところを見せたかったというようなことを作者がどこかで言っていた。『スローカーブ・・・』と発表年代はそれほど変わらない。今一般的である考え方の基礎はこのころにあるのかもしれない。
by hyuri07 | 2007-03-25 15:09


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