不思議なことに、読む前は有り得ないと思っていたことに、最後には違和感を覚えなかった。
いちばん幸せなときに、いちばん輝いているときに死にたいという思い。
辛くて死にたいのなら、一晩やり過ごしたら楽しいことがあるかもしれない、ないかもしれないけれどあるかもしれない、と言うことができるだろう。
でも、違う。
恋愛に関してのことでも、若かったら、また新しい世界が見えてくると言えたかもしれない。でも、この年の二人に、そう言い返すことはできないような気がしてしまう。
阿部定や有島武郎など、実在の人物、文学者のエピソードが入っていたせいで、さらに説得させられてしまったのかもしれない。確かに、恋愛のいちばんいいときは長くは続かないのかもしれない、と思ってしまう。結婚というのはやはり勢いだったりタイミングだったりするのかな、と思ってしまったりもする。
それでも、これから長い人生を恋愛しながら歩いて行きたい私が今思うのは。
なにかあっても、すぐに投げ出さずに、粘ってみよう。
粘りあって、お互いを思いやって支えていきたい。
そして、どんなに幸せでも死にたくはないから、
恋愛以外に大切なことも、ずっと大切にしていたい。