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『のだめカンタービレ in ヨーロッパ』後編。

心配したけれど、最後のところで、満足いく構成だった。





「のだめ」カンタービレなのだからのだめのリサイタルで締めてほしいとも思っていたのだけれど、昨日書いた二つの山を一つにまとめるのなら、そうするしかないか。
橋の上での諍いとか、リサイタルとか、「森」に突入してからの話をその前に持ってきていた。「突入」した後だと頭の中で補っていた部分もある。でもそれだけでなく、恋人同士なんだかそうでないんだか、という関係というのは見ていて楽しいという部分がある。

ヨーロッパデビューコンサートの演奏は、どうしても、原作にあった佐久間の言葉を載せて聞いてしまっていたようだった。幸せな音に聞こえた。いつもより、「感覚で紡」がれているような気がした。でも、千秋が振る姿はいつものように黒王子だった。そうなのか、と新しい解釈をつきつけられた気がした。見た目はそう変わらない。それでも、音が違う。幸せが載っている。それは人々に支えられて振っている幸せであったり、恋の幸せであったり。
ほっぺにうずまきを描かれたのだめが、私の目にも、どうにもならないほどかわいく見えた。それってこのドラマが大成功を収めているということなのではないか、という気がした。

リサイタルでは「水の戯れ」を聞きたい、と思っていた。原作でも重要な曲だ。しかし同じラヴェルでも「鏡」だった。フランスに来て最初に弾いた曲を弾く、という流れはわかりやすいし、放送時期の関係で夏という設定にはできないため海の場面が描けないという事情もわかるので、やむを得ないことがわかる。それでもやはり「水の戯れ」を聞いてみたかったな。ラヴェルが選ばれたのはのだめの音に映えるからなのだろう。その中でも、できるなら。

以前の記事で「考えても考えても分からない」と書いた千秋のモノローグ。以前よりもすんなりとわかるような気がした。
お互いに頑張っていたらきっと、一人で旅をするのはごく自然なことなんだ。旅の間は、見失う瞬間もあるのだろうと思う。それでも、帰ってくる瞬間を逃さずに捕まえればいい。
突発的に旅に出たり、お互いに旅に出ていたり、帰ろうと思っても相手が旅の最中だったり、すれ違う瞬間もあるのかもしれない。それでも、永遠に会えないということはない。必ず再び会える。お互いにとって会うことは欠かせないことで、お互いにとってお互いは欠かせない存在で、お互いをひっぱりあげることができる。
16巻以降を読んでも思うことだ。

もしかしたら、見失わないためには、千秋も動き続けていたほうがいいのかもしれない。一人だけ先に行かせないために。
ただ、そうではない愛の形もあるだろうとは思う。どちらかが動けなくなるときもあるかもしれない。そんなときも相手を助けられる二人でいてほしいな。いつも一人で旅をしているけれど、相手がいるからこそ旅を続けられるときがある。

テレビドラマ版のほうが、現実離れしていると思われる部分は多い。しかし、それもありかと思える範囲内ではあった。原作のほうが現実的であるような気もする。
・のだめの苦悩をわかりやすく表現するために、オクレール先生のレッスンを遅らせた。
・たくさんの生徒がいる中で、入学したてでまだ弾けないのだめをリサイタルに派遣することを決めた。
他にもあったとは思うが・・・許してしまった。

今回のスペシャル版で制作費に見合う視聴率が取れたら…もう一回映像化してもらえないかな。
でも展開から言って次回作はきっと、完結編となるのではないでしょうか。
原作が完結するのはもう少し先になるであろう、ということは、
映像で続きが見られるのはもう少し先になるのかな。

のだめや千秋はあんなに頑張っているのに、
「のだめ」は私をだめにする。
というか、「のだめ」を見始めたり漫画を読み始めたりすると、止められなくなって他のことができなくなる。
二人のように頑張れたらいいのだけれどなんでこんなに難しいのだろう。難しいー。
by hyuri07 | 2008-01-06 01:16 | テレビ


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