キャンペーンの一環でウォン・カーワイ監督が、「めざましテレビ」のイメージ映像を撮っていた。それを見たスタジオの方々は、明らかにコメントに困っていた。いつも気の利いたコメントをする高嶋アナさえもだ。
でも、そのときからその画面を、すげーと思ってしまっていた。
映画の本編の映像は、それどころでなくすごかった。以前書いたチャン・イーモウ監督の映像ともまた違う。描きたいものにはっきりとピントを合わせる。ぼやかし、重ねる。色、アップの使い方。構図。そこには、センスいいものを追い求める監督の姿勢がはっきり見て取れた。それがセンスいいのなら、音がない時間が続いたって構わないのだ。