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そんなに着なくてもいいよ。
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by hyuri07 | 2009-01-31 01:27

カミュ『異邦人』再び。

久しぶりに読んだ「あたり」の本。

ママンの埋葬のときには、主人公の言動も心の動きも、おかしいとはちっとも思わなかった。養老院に入れていたママンのところへ行く。泳ぎに行き、映画を見る。面している現実は、どこか自分から離れたところのもののようだ。ぼーっと現実を眺める彼の視線はよくわかる。
それなのに、人から見るとこんなにおかしくも見えてしまうのか。それらのことは殺人とはなんの関係もないと、主人公にも読み手にもはっきりわかっている。それだけなら特に非難も受けていなかった。裁判でそれらが取り出されて提示されると、どれもが彼の冷酷さ、非道さを示すものに見えてしまう。現実にそんな流れになってもおかしくないような説得力がある。
ずいぶん前の作品なのに、新しい感じがする。彼の感覚は一世代前の大人にはわからないのではないかという気がしてならない。そうではなく60年以上も前に大きな反響を呼んだということが驚きでしかない。
エピソードも展開もわざとらしくなく、一つ一つに意味がある。雰囲気を伝えるだけでなく、ちゃんと話が動き、落とすべきところを落として終わる。
名作というのはこういうものを言うのだろう。
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by hyuri07 | 2009-01-28 23:15 | 文学

「キラキラ」曽我部恵一Band。

 すべての中にそれがあり、それの中にすべてがある。
 そういう曲だと思う。そんなアーティストはほかにビートルズしか思い浮かばない。ロックの生まれたてのところに位置している。実際には曽我部恵一は、いくつもの表現を知りながら、それらを削ぎ落としながらたどり着いたのだろう。しかしこの曲からは、遡る向きの矢印を感じない。生まれ出る放射状のエネルギーだけがある。シンプルな楽器構成と歌、その中に、日々の思いをかっこよく弾け飛ばすスピリットが詰め込まれている。
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by hyuri07 | 2009-01-28 00:08 | 音楽

STAN『ROCK』。

がつんとした音がかっこいい。でも、それだけじゃない。

まず耳に飛び込むのは、US西海岸直系、とでも言いたくなるような、真っ当なロックの音。
音を厚くたくさん重ねてあるわけではない。それでも「がつん」と感じるのは、三つの楽器がかっこいいリズムのイメージを共有して、一点に向かって奏でるからなのだと思う。
ベースの音は、特にアルバム前半では、それほど動かずに底辺を支える。ドラムも、どちらかといえばシンプルにロックのリズムを刻んでいく。その分、きらきらしたギターの音が耳に残る。
日本語で歌っているけれど、英語で歌うほかのたくさんのバンドよりもアメリカを感じるというのは、自分が掌握している、説得力のある言語を使って歌っているという点が、アメリカのバンドと共通しているからなのだと思う。歌詞に自信を持つ様子がわかる。

しかしアルバムを聴き進めていくとその印象は薄れ、むしろ水墨画の濃淡のような、日本的な機微を表現するバンドだという印象が強くなってくる。
2曲目「アメジスト(Album ver.)」。長調のさわやかなさびまでが展開された後の、煮え切らないような、うつうつとしたDメロ。明るいだけでは一曲を終われないのだ。すぐに3曲目「時の砂」の、きれいだが切ないイントロにつながっていく。
7曲目、ハーモニーになっているようななっていないような、微妙なラインを動くコーラス。この曲ではここぞと動くベースラインも、ギターのコードの上で不安定な響きを作り出している。
ボーカルさんの声もそうだ。渋いけれど悟りきったようではなく、若さを湛えているけれどそれに乗じて壊れきったりもしない。振り切れていないからこそ自由で、その歌詞の世界を存分に表現しているのだと思う。

この作品で、二つの方向性を緻密に計算しているという印象ではない。彼らのいちばんかっこいい「ROCK」を、感性を全開にして追い求めた結果、二つの方向性はこのように、どちらもなくてはならないものになったのだ。
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by hyuri07 | 2009-01-24 22:51 | 音楽

Sandy Beach Surf Coaster『KIDS ARE ALL RIOT!!』

やっぱり、すぱんとした音がかっこいい。
たとえばチャットモンチーなんかを思い出す。
それでも、日本語で歌われるのと英語で歌われるのでは、届き方に大きな差があるような気がする。
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by hyuri07 | 2009-01-21 04:59 | 音楽

内藤高『明治の音 西洋人が聴いた近代日本』

すぐ隣で先生の話を聞いているようだった。

文章を読みながら先生の授業を思い出す。「ともかく」という先生の声が耳によみがえる。先生はゆっくりと、文章を手がかりに、論を進める。強引に進めたりしない。いろいろと考えるべき点を指摘し、それでも「ともかく」最低限みなが合意できるような読みを提示して進めていくというのは、先生の落ち着いたやり方だった。最低限の合意を積み重ねているから、論理の飛躍や無理がない。いろいろな読みを提示しながらも、自分の読みをはっきり提示する。
本を通して、先生が穏やかに語りかけてくださるようだった。どの一文にも先生が溢れていた。何を言うかということだけではない。先生はそれを表現するのにふさわしい言葉を、丁寧に選んでいたのだ。

個人的には第四章がいちばん面白かった。「あー」の音と言語の起源、水滴と世界。
それと、モースの記す、日本人が演奏する西洋音楽。
最近、伝統文化を体験する重要性について聞く機会があったが、日本人が西洋の音楽を、歴史的要請があったにせよこれだけ柔軟にすばやく受け入れたというのは、考えに入れておくべき点なのではないかと思う。


伝統文化とこの本についてはまた書きたい。
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by hyuri07 | 2009-01-20 00:07 | 文学

WATER ROOM@WATER ROOM×BIRD-FLUレコ発ライブ岐阜BRAVO。

さわやかだった。
最後の「MELODIC RELATION」という曲が気に入った。
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by hyuri07 | 2009-01-16 01:55 | 音楽

BIRD-FLU@WATER ROOM×BIRD-FLUレコ発ライブ岐阜BRAVO。

説得力が、違った。

この夜の出演者には英語で歌うバンドさんが多かった。でもボーカルの彼が歌うときだけは、歌詞の意味もわからないのに強い説得力を帯びて聞こえた。英語は彼の言葉だった。
音楽にはエンターテイメントがあった。自分たちの音楽をちゃんと持っている、という感じがする。MCも彼のキャラクターが伝わっておもしろい。盛り上げるMCをするというのは、バンドマンさんたちにとってけっこう難しいことなのではないかと気づいた。

3人とも楽しそうだった。それが伝わるから、こちらも楽しくなってきた。
ドラムのリズムが少々乱れるところがあったけれど、どうもまだ相当若いらしい。きっとこれからどんどんうまくなるのだろう。

ボーカルさんはそのうち日本語がうまくなってしまうのか。
でもそれでもきっと、楽しそうに演奏してくれるのだろう。
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by hyuri07 | 2009-01-15 00:38 | 音楽

しどうしない。

『深夜特急』から時が経っている、と思った。

高校一年のときから何度も読んだ、沢木耕太郎さんの『深夜特急』。でも、沢木さんがあのころ訪れた土地にも、今はマクドナルドがあるかもしれない。世界のあちこちで、自分の知ったものが食べられる。世界のどこへ行っても、ツアーに参加しなくても、自分の知っている世界のうちで動くこともできる。味だけではなく、ファーストフードというシステム自体もよく知っているものだ。
グローバル化はつまらない、と思える側面がある。世界のどこもが同じようになってしまったら、その地域の独自性がどんどん見えなくなってしまう。
もちろんマクドナルドにも、小さな違いにその地域の特性が現れてくると思う。それでも、その地域らしいところをより知ろうと思えば、そこへ行くだけでなく、マクドナルドの誘惑に打ち勝って町に入り込むという選択をしなければならない。そこまでいってしまえば、独自性をまったく失った場所というのはないのではないかという気がする。
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by hyuri07 | 2009-01-14 01:20 | そのほか。

なみだ。

きっと夜中だから考えてしまうのだろう。
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by hyuri07 | 2009-01-13 01:36 | そのほか。