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the pillows『PIED PIPER』。

音が、若いぞ。

ベテランの熟成された、という感じじゃないのだ。いい意味で、デビューしたての20代のバンドのような若いロックだ。前向きに進んでいく。3曲目、さわやか。歌詞の響きを重視した感じは、若手のヒップホップにも通じるような気がする。8曲目もさわやか。日本語詞で励ますあたりも偉そうではなく、たとえば兄貴分といった感じで高校生に広く受け入れられそうな感じがする。バランス感覚があって破綻なくまとまっているあたりが、ベテランの腕がうかがわれるところか。
さわやかな曲だけでなくひねった曲もある。1曲目、メロディーがひねって進むが、前述のバランス感覚によってとにかくかっこいい曲に落ち着いている。5曲目はちょっとひねったインスト曲。私が気に入ったのは6曲目だ。ソフトロックといった趣は、実は最近の日本のロックでなかなか聴かない。さびで英語で、前向きな歌詞が響くあたりも好き。
基本のロックの姿勢はアルバムを通して貫かれているけれど、目の前に開かれる景色は、一曲一曲意外なほど違っている。それはベテランだからこそできることなのかもしれないのだが、受ける印象はそれよりも、若い才能とロックにかける熱さだ。
by hyuri07 | 2009-02-05 23:36 | 音楽


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