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長良川薪能。

長良川と金華山を背景にした舞台は、ほんまにほんまに綺麗やった。

You Tubeで狂言を予習しておいたのだが、わからなかった。笑っていいのかわからない。どこで笑っていいのかわからない。舞台の人たちはみんな真面目な顔をしているし、動きは美しい。普段見ている漫才やコントなんかとは違う。突っ込みどころがどこなのかわからない。
でも当日、周りの人は笑っていた。それを聞いてやっと、あ、笑っていいんだ、ここで笑えばいいんだ、とわかった。現代の話でなくても、言葉遣いも衣装も現代と違っても、同じ話で笑えるものなのだなあ。
もしかしたらそれは、同じ話でも、現代の人に伝わるように少しずつチューンナップされているのかもしれない。それがどこなのかはわからないけれど。同じことをやるためには変わり続けていなければならない、と、誰かが話していた。
そこから時間が経って夜。家でテレビのチャンネルを回していたら、はた、と手が止まってしまった。NHK教育でやっていた文楽。そのまま見てしまった。驚いた。今までそんなふうに見たことはなかったのに。夕方の舞台が、思った以上に頭に残っていたらしい。
萬斎さんは、伝統文化を継承していくために演者はもちろん「お客さんも大事」と話していた。そのお客さんというのも、最初から狂言がわかるわけではない。でも実際にその場で他のお客さんと一緒に見てみると、なんとなく見方がわかってくる。その魅力にひかれてしまう。お客さんを育てるために、生で舞台を見る機会を作ることがこんなに大事とは。身をもってわかったのだった。
by hyuri07 | 2010-08-30 01:42 | 文学


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