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読書感想文の書き方提案(1)

『博士の愛した数式』という本(小川洋子、新潮社)を読んだ。
この本は、平成十六年度の青少年読書感想文全国コンクールの、高等学校の部の課題図書になっている。
しかし、私はこれを読んだとき、どういう感想文を書いたらいいのか・・・、とちょっと悩んでしまった。
設定や話の展開について、なんとなく腑に落ちないところがあって、完全に本の世界に入り込んで感動すると言うところまでいかなかった。おもしろかったのだけれど。

文章を書くのはわりと好きだったが、読書感想文はどちらかといえば苦手だった。
高校のときなど、とりあえずパソコンに向かってつらつらと書いていったのだが、読み返してみると、「つまらんことばっかり書いてるなあ」と思った。感動したとか、学んだとか、これが言いたかったとか。でも、直す時間もなくて、そのまま出していた。

大学に入って、文学を学ぶようになって、本についてのレポートもいくつも書いた。
そんな中で、レポートを書くときの視点を読書感想文に持ち込んだら、もっとおもしろい感想文が書けるのではないかと思った。感想文が苦手な人も、とっかかりやすくなるのではないかと思った。
本当にそれができるか、考えてみたいと思う。

まず、「課題図書」の受け止め方も、けっこう問題なのではないかと思う。
感想文を書くとき、読んでみておもしろいと思ったり感動したりした本と、そうでない本とでは、書きやすさに大きな差が出ると思う。感動したら、その感動をぶつけていけば、けっこうな分量をかけてしまうこともあるだろう。「課題図書」はそのように、読んで心動く人が多いだろう本が選ばれているのだと思う。しかし、皆が心動くとは限らない。
いちばん書きやすいのは、それまで読んできた本の中でいちばんおもしろかった、心動いた本の感想文ではないかと思う。「セカチュー」でもなんでも構わない。好きな本なら、自分の感想を言葉にしてみようという情熱は湧きやすいだろう。
しかしそれでも、途中で行き詰ってしまうことがあるかもしれない。もしくは、普段本を読まないという人も多いだろう。そんな人に勧めたいのが、大学に入って、「レポート」でつかうやり方である。それは「視点」を設定するということだ。「テーマ」とも言い換えられるかもしれない。つまり、読んで思ったことをただ並べていくのではなく、「~について考える」というように、視点を設定するのだ。
by hyuri07 | 2005-03-12 10:53 | 文学


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