いいものはいいって、いいつづけなきゃ。
ひであつさんは、いいつづけている。それがよくわかった。
ひであつさんが話しかけてくださった。ふんわり、温かく、どこかちょっと朴訥で、誠実な感じが安心させる。かわいいもの好きな人々を見ていた、と、なんとか言った。私が緊張しているのに気付いて、私の目を覗き込むんじゃなく、目の前の絵、同じ方向を見ながらしゃべってくださった。
温かかった。
閉場時間が来て、山下さんも来られた。少しお話しした。緊張した。素敵な方だった。
こんなに緊張する私も編集をやっていると知ったら、きっと驚かれるだろうな。
会場には、あのころのほぼ日の、ちょっとバターの香りのする手づくりケーキのような雰囲気が、ほんのり感じられた。
それを感じられることって、これから先、少なくなっていくのかもしれない。
いいものはいいって言い続けるひであつさんが、その雰囲気を連れてきているのは間違いない。
私も、いいものはいいって、いいつづけたい。いいつづけよう。
だれもわかってくれなくても。
いいつづけたら届くかもしれない。