2006年 01月 09日 ( 1 )

ビスケット。

もう一つ、『デッドエンドの思い出』について。
商売をしている家に生まれた主人公が多い。
「幽霊の家」「あったかくなんかない」「デッドエンドの思い出」がそうだ。
そしてその主人公の家族はどれも温かくて、いい家族だった。
そういう設定が、ばななさんにとって「リアル」なのだろうかと思った。
そういう家庭で育った人というのは世の中でそんなにたくさんいるわけではないだろう。その意味ではとても多くの人の共感を得られないかもしれないとも考えられる。しかしよく考えてみれば、小説の主人公というのは架空の設定の中に生きているはずなのだから、どんな主人公であれ、その人とまったく同じ状況下にいる人というのはどこにもいないはずだ。それなら、その人の書ける「リアル」を書いたほうが、おもしろいものになるのだろう。できるだけ「リアル」に書くことで、たとえ自分とは違う状況でも、読者が共感してくれるのかもしれない。
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by hyuri07 | 2006-01-09 14:38 | 文学