吹奏楽部の取材をまとめながら曲名などを確認していたら、高校生のときに吹奏楽部で演奏していた曲に行き会ってしまった。
取材で聴いた曲が「アメリカン・グラフィティXXⅢ」。私が高校生のときに演奏したのは「ジャパニーズ・グラフィティⅣ」。ニュー・サウンズ・イン・ブラスの最新版には、「ジャパニーズ・グラフィティXⅧ」が載っているようであった。なんて遠くまで来てしまったのだ。
そして、ニュー・サウンズ・イン・ブラスを調べていたら、あのころ「美女と野獣メドレー」も演奏したことを思い出した。
思わずYou Tubeで検索して聞いた。
ああ。
ホルンだった。「朝の風景」をホルンのみんなで合わせたことや、高い音の「裏メロ」が、かっこいいのはうれしいけど苦しかったことを、切れ切れに思い出す。
あのころの私は、15年後の自分がアルトサックスをやっていて美女と野獣を吹くなんて、夢にも思っていなかった。自分が真ん中に立つなんてさっぱり思っていなかった。ソロなど吹いたことがなかった。アルトサックスに密かに憧れながらも、サックスはなんかかっこよくていけてる子のもので、自分はキャラじゃないなあと思っていた。今でもホルンの音は大好きだし、多分「オーケストラ人間学」的に言えば自分はホルン的だろうと思うけれど。
多分、今思っている自分だけが、自分じゃない。
どうにでも変われるんだな。15年あったら。
15年という時間を費やして、今の自分を作ってくることができたんだな。
あのころの私に、市役所で働いていると言ったら、ちょっとがっかりするかもしれない。
だけど今の私は、あのころの夢をちょっぴり叶え、また、あのころと同じ夢を追いかけている。
あのころの夢、やっぱり、叶えたい。